勤務地や配属先の決まり方や仕組みとは?勤務地の希望の書き方も併せて解説

勤務地はその会社の制度だけでは決まらない

勤務地は「全国転勤あり」「エリア総合職あり」といった制度で決まるものではありません。

実際に配属がどう動くかは、その企業の拠点構造・人員配置の考え方・職種特性によってほぼ決まります。

なぜなら、会社は人事の理想ではなく「仕事が発生する場所」に人を配置するからです。

例えば各地に支店を持つ会社では、現場に人が必要になるため配置は分散しやすくなります。一方、本社に業務が集中している会社では、制度上は総合職でも勤務地や配属先がしばらく変わらないことが多い傾向があります。

求人票の言葉だけを見ると誤解しますが、「その会社の仕事の中心はどこで行われているか」を考えると、勤務地の傾向はかなり読めるようになります。

与那覇
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とはいえ、入社時の希望配属先を聞かれることはあり、なるべく希望の勤務地になるように人事も考慮しますが、その人の適正や支店の課題感によっては、希望とは違う勤務地になることも往々にしてあるのです。

勤務地における人事異動は理想ではなく「穴埋め」で起きる

企業は最適配置を常に設計しているように見えますが、現実の異動の多くは欠員補充です。たとえば、

  • その拠点での退職が出る
  • 新規拠点が立ち上がる
  • あるエリアの特定エリアの売上が伸びる(もしくは落ちる)

こうした局所的な変化に対して人事異動が発生し、勤務地が変更になることが多いです。

このように、勤務地の変更は「将来のキャリア育成」のためだけに行われるわけではありません。もちろん、若手を育てる目的のローテーションもありますが、実際には「今そこに人が足りない」という理由のほうが優先される場面が多いのが実情です。

例えば、地方拠点で急に退職者が出た場合、その拠点を空席のまま放置することはできません。売上や顧客対応に直結するため、誰かを別の拠点から動かす判断がなされます。

また、新規拠点の立ち上げ時には、経験者を配置する必要があり、結果として勤務地が変わることになります。

ここで重要なのは、「本人の希望が通るかどうか」よりも、「会社として今どこを優先するか」が基準になる点です。

与那覇
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経験上ですが、ある社員が何か問題を起こした場合(退職者を連続で出すなど)にも、評価調整の目的で勤務地が変更されるケースもあります。(いわゆる左遷)

拠点数は「異動確率」を左右するので要チェック!

拠点が10の会社と100の会社では、人が動く回数が根本的に違います。拠点が多いほど、

  • 管理ポストが増える
  • 地域間バランス調整が起きる
  • 戦略転換時の配置転換が発生する

つまり動かす理由が増えます。

営業拠点が全国に分散している企業は、人員バランスの微調整が頻繁に起きます。一方、研究開発や製造設備が集中している企業は、設備に紐づくため異動は限定的になります。

つまり、同じ企業でも「営業は動きやすく、技術職は動きにくい。」ということが言えます。

したがって、拠点が多く、かつ機能が分散している会社では「どこかで人が足りなくなる」場面が常に生まれるため、結果として異動の打診が発生しやすくなります。

逆に、本社や営業支店として強力な主要機能が集まっている会社では、人員調整の必要性そのものが少なく、勤務地は比較的固定されます。

与那覇
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この視点で勤務地情報を見ると、単に住所の数を数えるだけでも傾向が見えてきます。営業所が細かく全国配置されている企業は異動の可能性が高く、巨大な工場や本社に機能が集中している企業は低くなります

「全国転勤あり」に含まれる複数の意味とは?

実は、「全国転勤あり」という表記は、会社が人事権を持つことを示すだけであり、実際の運用は企業ごとに大きく異なります。

  • 若手は原則固定、管理職のみ広域異動
  • 都市圏間のみの異動
  • 昇進タイミングのみ転居
  • 支社間移動はあるが、本社転勤は稀

たとえば拠点の役割が明確に分かれている会社では、職種ごとに移動範囲が事実上固定されます。

営業はエリア内で循環し、専門職は特定拠点に留まり、管理職だけが広域を移動する、といった形です。

反対に、拠点の機能差が小さい会社では人の入れ替えでバランスを取るため、若手の段階から地域をまたいだ配置が起きやすくなります。

つまり、全国に同じ形式の支店があったり、どの支店でも同じ商品を扱ったりなど、「A支店の人とB支店の人を入れ替えても仕事が成立する」イメージです。

この場合は勤務地希望が通るかどうかよりも、「人員調整の単位が全国か、エリアか」を見る方が実態に近づきます。

与那覇
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とはいえ、実際に面接で「全国転勤はありますか?」のような質問はなかなかしづらいかと思うので、内定を獲得した後のオファー面談にて、詳しく聞くのがミスマッチを減らす方法の一つです。

勤務地の確認はキャリア設計にも関わるので慎重に

勤務地は給与のように後から調整できる要素ではありません。

  • 生活コスト
  • 通勤時間
  • 家族の就業
  • 子育て環境
  • 将来の住宅購入

これらは勤務地が確定しないと設計できません。

年収が100万円違っても生活設計は可能ですが、生活拠点が変わると住居・保育園・パートナーの仕事が一気に影響を受けるので、勤務地は意外にも重要なことがわかります。

そのため、自分自身の理想の働き方を実現するためにも、次のチェックポイントを把握しつつ、就職先や転職先を検討しましょう。

【勤務地チェックポイント】

  • ①拠点一覧を見る:地図に広げたとき、全国均等型か都市集中型か。
  • ②拠点の役割を見る:営業中心か、製造・研究中心か。
  • ③採用区分を見る:総合職主体か、エリア職が明確に分かれているか。
  • ④昇進構造を見る:管理職になると異動が増える企業か。
与那覇
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④に関しては、口コミサイトなどを確認してチェックするのがポイントです。

勤務地の希望理由の書き方

勤務地の志望理由で多くの人がやってしまうのが、「地元だから」「家族がいるから」「通いやすいから」といった生活都合の説明です。

しかし、企業側からの目線の観点から言っても、上記のような理由で希望の勤務地が通る可能性は低いと言えます(企業は営利活動を推進していく必要があり、極端な話、個人の都合はどうでも良い)。

つまり、勤務地の希望理由は「ここで働きたい」ではなく「ここで働くと会社にメリットがある」という理由で書くと良いです。

そこで以下では、希望勤務地の書き方NG例とOK例を合わせて解説します。

NG例(希望の勤務地が通らない書き方)

実家から通えるため志望しました。生活基盤が整っているため希望します。地元に貢献したいと考えています。

これらはすべて会社側の合理性がない希望なので、否定はされませんが、そのまま希望勤務地が通る可能性は低いです。

OK例

勤務地の希望理由は、「地域特性→自分の経験→業務との一致」を押さえるだけで、説得力が出ます。

たとえば、営業職の場合は以下となります。

首都圏は法人顧客の集積度が高く、提案スピードが成果に直結すると考えています。

私自身、短い商談サイクルの環境で継続的に数字を伸ばしてきたこともあり、同様の営業特性を持つこのエリアで経験を再現できると考え、ここの勤務地を希望します。

技術職の場合は以下となります。

本拠点は開発機能が集中しており、設計から評価まで一貫して関われる点に魅力を感じています。

これまで仕様検討から試験まで担当してきた経験があるので、工程間の調整役として貢献できると考えここでの勤務地を希望しています。

共通して言えるのは、「自分目線ではなく、会社目線に立ち、どれだけその勤務地においてロジックをつけて貢献できるか」を明示することが大切であると言えます。

与那覇
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とくに、一定の業務経験がある場合は在職中の勤務地希望でも、転職先での勤務地希望でも、その経験を活かして何ができるか、を具体的に落とし込むのがおすすめです。

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